広島県
制度を巡ってはこれまでもトラブルや事件が起き、問題を指摘する声も上がっていた。
陳容疑者の日本側の受け入れ窓口(監理団体)で、広島県内のカキ養殖業者らでつくる「日中友好経済協同組合」によると、陳容疑者は昨年5月に来日。1か月間日本語を学び、別の水産会社で勤務後、川口水産に移った。
カキ加工場2階に居住。ほぼ毎日午前5時半過ぎから、沖合のカキいかだに船で向かい、死亡した経営者の川口信行さん(55)とカキの付いた重いワイヤを引き揚げ、加工場まで運んでいた。
法務省によると、同制度で入国した外国人は2011年末時点で約14万2000人、うち中国人は約10万7000人。多くは、過疎地域で農林水産業や製造業の担い手に。だが、言葉の壁などから職場の人間関係がぎくしゃくし、悩みをためこむケースも少なくないという。
陳容疑者ら実習生69人を受け入れている同組合では、過去に実習生から「奴隷みたいに働かされる」といった苦情があり、通訳を雇って面談を行うなど改善に努めていた。
技能実習制度に詳しい小野寺信勝弁護士(熊本県弁護士会)によると、実習生が、低賃金やセクハラなどを理由に実習先や監理団体を訴えた訴訟は全国で約30件。
10年7月施行の改正入管法で、監理団体が実習先を監督する責任は強化されたが、同業者でつくる団体のチェックには限界もあると指摘されている。
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